SEE/SAW ルベル ヘアケアシリーズ

STORY

COLUMN

ビューティライターAYANAと探る
SEE/SAWの香りの秘密

AYANA ビューティライター

“印象から美しい人へ”をキーワードに、香りによる印象効果にこだわった凛とした香りのSEE/SAW。創香を手がけたのは、ヴェ・マン・フィス香料株式会社のパフューマー(調香師)の堀本美年さんとエヴァリュエーターの湊純子さん。香りの秘密について探るべくおふたりを訪ねたのは、ファッション誌でビューティの記事の執筆をし、コスメの開発にも関わるビューティライターのAYANAさん。前回のSpring Note20(限定品)に続き、定番品の香りについて紐解く。それぞれの香りの楽しみ方についても交え、語ったこととは。


AYANA 「日本で支持されている香りといえば、甘くて可愛らしさがあるフローラルフルーティ。圧倒的な人気を誇るので、そういった点でも、SEE/SAWの爽やかな香りは、日本で人気の香りと異なり意外性がありました。創香はどのようなプロセスで行われたのですか」

堀本 「SEE/SAWの香りの開発に携わったきっかけは、ルベルブランドから新しいヘアケアのラインができるということで、弊社の強みである天然香料を使用した香りを作成し、提出しました。特徴のある香りを創りたいと思い、グリーンでパチュリを効かせた香りを創りました」

 「創香する上でキーワードとして挙がったのが、“憧れ感” “特別感”。日本人の好みに合いながらも、新しさが欲しいというリクエストがありました。今思うと、最初に提出したサンプルは、現在のSEE/SAWの香りに比べかなり特徴のあるユニークな香りでしたね」

堀本 「例として挙げられたイメージボードには、ライフスタイルやファッションにおいて自身のスタイルがあるモデルさんの写真がありました。イメージとして、従来の女性らしさに縛られずパンツスーツも自分らしく着こなしている。そんな女性像が常に頭の中にありました。見た目の美しさだけではなく、食生活やウェルネスなどにも興味がある、多角的に感度の高い方に好まれる香りを目指しました」

 「サンプルが選出された後は、ヘアサロンさんに通い、香りの方向性やサロンでの使用感についてコメントをいただきながら調整していきました。個性を残しつつ、いかにユーザーの方々に心地よく使っていただくかに心を砕きましたね。皆さんの言葉が道標になって完成しました。こんなにも何度もヘアサロンさんにヒアリングを行って開発をするのは初めての経験でした」

AYANA 「SEE/SAWを初めて使ってみた印象は、フレグランスのような洗練された香り。日本の市販のヘアプロダクト、サロン専売のヘアプロダクトもそうですが、そのジャンルならではの香りのパターンがあると常々思っています。SEE/SAWは決してその路線から外れていないメジャー感があるのですが、さらに香りにアルチザン(フランス語で職人の意味)を感じました。フレグランスでも、ファッションフレグランスではなく、メゾンフレグランスのようなクオリティ。それから、注目したのは香りが中性的だという点。パッケージもスマートなので、男性とシェアして使用もできそうなのもいいですよね」

堀本 「確かに“ジェンダレス”という点でも、意識をしました。いまの時代を性別にとらわれず自由な香りに仕上げたいと考えていましたね」

 「サロンさんとのお話し合いの中でも、媚びた香りにはしたくないという意見がありました。よりスタイリッシュな香りを求められていたように思います」

堀本 「そういったイメージは、カルダモンやシダーウッドなどのスパイス系やウッディ系を使って香りの表現を試みました。本来は男性用の香水に使用される素材なのですが、そのあたりが上手に効いたのかもしれません。SEE/SAWは、ジャンルとしてはフローラルグリーンに属し、トップは柑橘系。イリスという精油が少し入っています。これは天然香料では高級なものの一つです」

AYANA 「カルダモンも入っているんですね。大好きな香りです。また、イリスを入れられた理由は何だったのでしょうか。とても濃度のある香りで、ヨーロッパのフレグランスのイメージがありますが」

堀本 「最後の調整で微量入れることにしました。理由としては、エレガントになるからです。世界的に有名なフレグランス、CHANELの19番にも使用されています」

 「グリーンフローラルを中心に、フリージアやゼラニウムのフローラル系でフレッシュな透明感がある香りにしています。そこに、イリスで上品さが加えられたかと思います」

AYANA 「SEE/SAWの香りは、シャキッと気持ちにスイッチが入るようなグリーンの香りが気持ちいいですね。その辺りも含め、創香をするのに難しかった点はありますか」

堀本 「一般的に好まれる甘い香りやフルーツの香りを使わず特徴を付けることに時間をかけました。あとは、サロンで実際に使用いただいて空間の広がり方も見ていきました」

AYANA 「ヘアプロダクトがフレグランスと異なるのは、水と乳化させて香りを立たせる、さらに髪を乾かした後も香っているという点ですよね。その塩梅は香料で操作するのですか。それとも、ヘアプロダクトを作る上での作法のようなものがあるのでしょうか」

堀本 「香料で操作するしかないです(笑)。作法のようなものは無く、各パフューマーの経験値と腕の見せどころですね。もちろん化学的な分子量に基づく香りのデータはありますが、その通りに作っても実際に思い通りの香りの広がりになるとは限らないので」

 「ヘアサロンでの仕上げの時点で、爽やかな残香がある。こだわった点の一つです。ラストノートは、シダーやウッディとグリーンのコンビネーションです」

AYANA 「かなり、複数の香りが複雑に配合されていることがわかりました。SEE/SAWでいうグリーンは、具体的にはどのあたりの香料を指すのでしょうか」

堀本 「レモン、ユーカリ、ネロリあたりでしょうか」

 「堀本に完成した香りの内訳を聞いて驚いたのが、ホワイト系フローラルと、色味があるフローラルのバランスが1対1になっていたこと。狙ったわけではないのですが」

AYANA 「実際にSEE/SAWを使ってみて、香り以外にそのカジュアルさも気に入りました。ボトルの佇まいもそうですよね、とにかく、泡立ちがスピーディで泡切れもいいです。サロン専売のヘアプロダクトは、リッチな泡立ちであることが多いのですが、水流がサロンのシャワーほど強くない、自宅のシャワーだと泡切れが悪く思うことがあったんです。それが、無い。とてもカジュアルに使えます。さらにSEE/SAWはジェンダレスなところが魅力。どこにもカテゴライズされない全く新しい立ち位置のヘアプロダクトだと思っています。ヘアプロダクトは、機能に偏った見方をしがちですが、『もっと香りで楽しんでいいんだ』と思えたのも新しい発見でした」

堀本 「こだわりを感じていただけたら嬉しいですね。使用される際に、SEE/SAWで目指した“印象に残る香り”とはどんな香りなのかを楽しんでいただき、幸せな気持ちになっていただけたら嬉しいです」

AYANA 「香りって気持ちに変化を与えてくれるので重要ですよね。私はパチュリやハーブ、スパイスなどの香りが好きです。先ほど話にも出た、一般的な日本人の香りの好みからは離れていると思っているのですが、おふたりはどういった香りが好きですか」

 「職業柄もあると思いますが、幅広いタイプの香りが好きです。傾向としては日本でメジャーな香りが好みかもしれません。あとは、堀本さんからはカシスが好きだよねと言われます(笑)。評価を通して、香りの好みは見破られてしまいますね」

堀本 「オレンジフラワーが好きです。弊社が最も得意とする香料のひとつで、同じお花から抽出方法によってネロリとオレンジフラワーを抽出できるのですが、どちらも大好きですね。本社が香りの本場である南仏のグラースにありますが、現地で天然香料に出逢ったことで香りの好みががらりと変化しました。以前はラベンダーが苦手だったのですが、ラベンダー畑に行き香りを嗅いで、大好きに。他には、ジャスミン、SEE/SAWフレグランスにも配合したイリスも好きになりました」

AYANA 「わかります。仕事で色々な香りに出会う機会があり、好きなものが増えました。ラベンダーはいかにも作ったというような化学香料のイメージが強く、いい印象がなかったのですが、フレンチラベンダーに出会い大好きに(笑)。ローズもオーガニックコスメの開発でダマスクローズを知り、好きになりました。組み合わせによって楽しむ方法も知り、さらに好きな香りが増えましたし。ただ、今もジャスミンやネロリ、イランイランは敬遠しがちです」

堀本 「ネロリは、フローラルにもウッディにもよく合います。やはり天然香料もそうですが、実物の香りを知ると本当の香りの良さに気付くことが多いように思います。AYANAさんはどのようなシチュエーションで香りを楽しむことが多いですか」

AYANA 「一番は香水。あとはバスタイムですね。TPOで香水を使い分ける方がいますが、私は大好きな香りを使い続けるタイプ。一番長く愛用しているのは、COMME des GARÇONSの『COMME des GARÇONS』で、インドを彷彿させるようなエキゾチックな香りです。あとは、オーガニックの精油をブレンドしたロールオンフレグランスを持ち歩いて気分によって付けたりしていますね。オーガニック系のネイルオイルも愛用しています。バスタイムは、バスタブに好きな香りのバスオイルや精油を入れたり、ボディオイルを使ったり」

 「私は仕事上、評価が左右されてしまうので、香りをつけることはほとんどないです。仕事では自分自身が無臭の方が集中できますし。日常で楽しんでいるのは、お花屋さんを覗くことですね」

堀本 「普段は、自分自身は何もつけません。なので、香りは普段の暮らしの中で出会う植物などで楽しみます。日本は四季があり自然が豊かですので、金木犀や蝋梅、沈丁花などが咲き、香りが空気中に漂っているのを感じると改めて香りっていいなと思いますね」


感度の高い女性に向けてメッセージを掲げ、ユニークな創香の行程を経て完成したSEE/SAW。多くの女性の期待に応える香りでありジェンダーを超えて受け入れられ、さらにビューティのプロフェッショナルをも魅了する。その唯一無二の存在は、サロン現場の率直な声、パフューマーとエヴァリュエーターの感性と、クリエイティビティが発揮された結果に違いない。

※前半のインタビューではSEE/SAW Spring Note 20(限定品)の香りについてお話を伺いました

AYANA(ビューティライター)

化粧品開発の経験を活かしながら、アートやウェルネスの観点からも美容をウォッチ。OSAJIメイクアップコレクションのディレクターも務める。

堀本 美年(パフューマー)

ヴェ・マン・フィス香料株式会社

湊 純子(エヴァリュエーター)

ヴェ・マン・フィス香料株式会社

Photo_Harumi Obama 
IntervIew&text_Aika Kawada