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魅力を感じるのは、他人に配慮し
心に秘めることができる深みのある

小坂英子 KATIM Creative Director

タイムレスなデザインと現代人のライフスタイルに根ざしたシューズを提案する、〈KATIM(カチム)〉。小坂英子さんがクリエイティブディレクターを務めるシューズブランドだ。彼女のライフスタイルやシューズへの想いは、SEE/SAWが掲げる美学と通じるところがあるという。

ブランドを立ち上げて4年。女性ファッション誌で紹介され、セレクトショップの店頭に並ぶ。まずは、〈KATIM〉をスタートするに至った経緯を訊いた。
「前職でシューズの海外生産を担当していたので、生産工程に親しみがありました。靴は毎日必ず身につけるアイテムでありながら、痛みを伴うもの。これを解消するために、整形外科学的な観点と手縫い靴の世界観を組み合わせて表現したいと考え〈KATIM〉を設立しました」

日本人の足型を分析し、歩行時の足の形状変化への研究を重ねた。ブランドのコンセプトについて、このように語る。
「手入れをしながら履き込むことで履く人との親密さを深めていくフットウェアです。それが叶う素材とデザインで、手仕事を行える箇所は手間を惜しまず施す。その融合が機能美と造形美の相乗効果を生みだすと信じています」

伝統と新しさを肯定するブランドの姿勢は、SEE/SAWが掲げる「過去から現在を肯定し、より未来を楽しむ」というコンセプトとも共鳴する。靴作りにおけるこだわりはどこにあるのだろう。
「履く人の足に馴染む靴を良い設計で仕立てること。工業製品ではあるのですが、少量生産ならではの手仕事の多さを大切にしています。手間をかけたものが持つ独特の雰囲気は、大量生産品にはない魅力です」

シーズナルなアイテムの展開の他に、オーダーメイドでも受注を受け付けている。ブランドのターゲットはどこに設定し、どのように履きこなして欲しいと考えているのか。
「特注は極端な話、男性に向けたパンプスも作ることができます。なので、ターゲットについて年齢や性別、立場は関係ないと考えています。履き方は、手に取ってくださった方それぞれに委ねたいです。凛とした歩き姿や立ち姿を演出できる靴作り、肌映りが良く足下を見たら特別な気分になるような色選び。自立心を持って暮らす方の日常に溶け込み、履いていただけたら嬉しいです」

フラットな立場で様々な人に開かれたブランドを運営する中で、どのような人物に魅力を感じるか訊いてみた。
「他人の心情を配慮できて、心に秘めることができる人。何事も率直に口にすることがいいという風潮もありますが、全て受け入れた上で他言しないのは人間としての大きさや深みを感じます」

最後に、今シーズンのSEE/SAWのテーマ「自分と向き合う、自分を大切にする」にちなんだ質問を投げかけてみた。何かモットーはあるのだろうか。
「メンタル的にも肉体的にも、何事もほどほどにすること。そして、苦しいときこそ笑顔でユーモアを忘れないようにしています」


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SEE/SAWをよく知るあの人に聞く、10の質問

「KATIM」のクリエイティブディレクター小坂英子さんをもっと知るべく、10の質問からなるインタビューを行った。彼女の美学とSEE/SAWを使用した感想とは。


Q1. シューズデザイナーになろうと思った経緯を聞かせて下さい。
学生時代のアルバイトも含め、キャリアのほぼ全てファッションに関わる仕事をしてきました。トレンドの移り変わりの速さ、自身のテイストと身体の変化を経験し、自分のブランドには何か普遍的でありながら飽きることのない指標を設けたいと考えていました。シューズは身につけるアイテムの中で唯一痛みを伴うアイテムでありながら、必ず身につけなくてはならないもの。それでいて歩くときに、常に形状も変化し部品の数も多い。探求し続けることができるテーマに当てはまったことが大きいです。

Q2.「KATIM」のシューズ作りのこだわりとは?
履くたびに足に馴染むシューズを良い設計と素材を用いて、手間を惜しまず仕立て良く作る、ということ。少量生産だからこそ、手仕事を多く盛り込むことによってマスプロダクションでは難しい経年で楽しめるようなデザインディテールや、履く人の足の個性やニーズに対して応えられる幅が大きく広がるからです。

Q3. KATIMのブランド名の由来は?

これは私が作った造語です。ブランド立ち上げ時に、「立ち姿と歩き姿の美しさはイコール足あたりの良さ」という考えを主軸に持つと決めていました。なので、かかとが地面についてからぐっと踏み抜く靴音のイメージと「勝ち虫(カチムシ)」という言葉を組み合わせ、ブランド名に決めました。

Q4. はじめてSEE/SAWのプロダクトを手に取った印象を教えて下さい。
パッケージが垢抜けていてスマート。クリアボトルが使いやすく、ボトルのマットなテクスチャーやロゴにも洗練された印象を受けました。液体の色も落ち着いていて、バスルームに置いたときに雰囲気が良くなるように感じました。

Q5. SEE/SAWのシャンプーとトリートメントを使用した感想を聞かせて下さい。
シャンプーの泡立ちが早く、驚きました。髪の毛の量が多いせいかこれまでのシャンプーは泡立つまでに時間がかかり、泡立ってもすぐにへたってしまうことが多かったんです。SEE/SAWは泡がもこもこしているので、こめかみや後ろの方、頭部全体を洗い終えるまで泡立ちがずっと続きました。それでいて泡切れが良く、洗い上がりも気持ちよかったです。トリートメントは、髪の毛にすうっと馴染み、潤いが感じられました。すすいだ後は重くならずに軽やかで、指通りもさらさら。香りの良さも、大満足です。

Q6. SEE/SAWクリアオイルはどのように使っているのでしょう。
パーマをゆるくかけているので、オイルでツヤとカールの束感を出すスタイリングに使用しています。タオルドライをした後に薄く全体につけて、乾いた後に毛先に足す。軽いつけ心地なので、量の調整もしやすいです。

Q7. 普段はどのようなヘアケアをしていますか。特に気をつかっていることは?
敏感肌なので、たくさんのプロダクトやケアを増やすほど、何が自分に必要で何が合わないのか分からなくなってしまうんです。スキンケアも同じですが、できるだけ行程を減らしてミニマルにするようにしています。自然環境や肌に優しいことは大前提ですがオーガニックに強いこだわりはなく、使った後に手応えがあるバランスの良いプロダクトを使うようにしています。

Q8. これまでにどのようなヘアスタイルをしてきましたか。
10代は様々なヘアスタイルに挑戦しました。編み込んだり思い切ったカラーリングにしたり。20代後半で肌や髪をケアするようになり、作りこまないナチュラルなスタイルを美容師さんにお願いするようになりました。30代まではかなり長さのあるロングヘアでしたね。一度ショートボブを経て、現在は髪の毛の生え方や元の癖を活かしたカットをメインに、気分でパーマをかけています。

Q9. 最近楽しみにしていることは何ですか。
愛犬の成長。春に雄の黒パグの仔犬を飼い始めて、だいこくと名付けました。これから一緒に過ごす長い時間がお互いにとってより良いものになるよう、今は社会化トレーニング中です。その成果もあって、目を見てコミュニケーションを取れるようになり、毎日やりとりが楽しいです。ご飯やおやつを手作りするのも楽しんでいますよ。

Q10. 家にいる時間が長くなり、時間の過ごし方を見直す機会が増えました。「自分と向き合う、自分を大切にする」ために、行っていることは?
何事も気持ちが大事だと改めて思うようになりました。なので、うまくいかない時の自分にもおかしみ見出せるようにありたい。あとは、謙虚と自信のバランスがいい人間であることは、目指したいところだと思っています。

小坂英子(KATIM Creative Director)

国内外のファッションブランドで海外生産管理、海外セールス、デザイナーアシスタントを経て、独立。“永く美しく履くシューズ”を志して、ドイツ式整形外科靴学を学んだのち、2016 年春夏よリKATIM をスタート。
www.katim.sc

Photo_Harumi Obama 
IntervIew&text_Aika Kawada

INFORMATION

SEE/SAW ヘアケアがリニューアルしました。
2023年5月18日以降の新デザインと価格改定についてはこちらをご確認ください。

※WEBページには、一部、旧デザインのパッケージが掲載される場合がございます。あらかじめご了承ください。