(STORY)

PEOPLE

自然体でいることが
いい創作に繋がっていく

保坂安美 フラワークリエイションスタジオ ミモザ主宰

自分という花を、咲かせよう。
TIME TO BLOOM ── 花ひらくとき。思いがけない瞬間に、人生の転機はやってきます。日常の会話に潜む何気ないひとこと。ふらりと入ってみた路地裏での出会い。自分の思いをノートに綴る時間。希望の扉がそっと開くきっかけは、きっとそこかしこに隠れている。転機をとらえ、チャンスに変えてきた3人の女性に訊いた、これまでのこと。そこには、自分らしい花を咲かせるヒントがたくさん詰まっていました。

保坂安美(フラワークリエイションスタジオ ミモザ主宰)
武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科卒。ディスプレイデザイン事務所を経て、2015年に友人とミモザを設立。現在は横浜にアトリエを構え、2名のスタッフとともに制作にあたる。家族の住む名古屋との2拠点生活で、ペーパーフラワーの可能性を広げている。
@mimosa_design

紙や布でひとつひとつが繊細な手作業で作られる大きな花が印象的。

INTERVIEW

花や植物をモチーフにした紙や布のアートで空間装飾を手がけるフラワークリエイションスタジオ ミモザ。ひとつひとつが繊細な手作業で作られ、見る者に驚きと感動をもたらす。主宰する保坂安美さんは、学生時代に空間演出デザインを学ぶ傍ら、デザイン事務所のインターンでウィンドウディスプレイを手がけていた。「人がその中で楽しめる“空間”というモチーフに惹かれていました。幼少期に工作や絵画の教室に通っていたのもあって、手を動かすのも大好きでした」。そのまま事務所に就職するも、根を詰めすぎてしまう。新たな働き方を模索して、友人とミモザを立ち上げた。「最初は生花を扱う花屋だったのですが、空間演出の仕事が増えていくなかで、今のスタイルになりました」。そこには花を愛する保坂さんの想いもあった。「花って一輪できれいなものだから、巨大な空間に敷き詰めることに違和感があって……それなら自分で大きな花を作ればいいのでは? と思いついたんです」。その後保坂さんの作風は、広告ビジュアルやイベント会場にひっぱりだこになる。「何かひとつの大きな転機があったというより、流れのなかできっかけを掴んでここまで来たと思っています」。

保坂さんは、楽しく自然体で仕事に取り組むことを大切にする。自然体とは、その人らしくあることだ。学生時代やデザイン事務所時代に無我夢中で頑張っていた自分を振り返ると「もう少し肩の力を抜いてもよかったな」と思うことが多いという。自然体のまま興味があることにチャレンジして体験を重ねれば、個性に彩りが生まれていく。「だから、仕事とプライベートはきちんと分けたい。スタッフにも無理のないスケジュールをお願いしています。家族と過ごす時間や趣味に没頭する時間が、新しい創作やアイデアに繋がっていくと思うから」



「たっぷりと時間を取るよりも、少し足りないくらいの時間でぎゅっと集中したほうが、いいものができる」と保坂さん。仕事にどれだけ時間をかけるかの考え方には、最初に就職したデザイン事務所での経験が生きている。


花は意外と不気味なところがあり、巨大化すると際立ってしまうことも。「再現性にこだわっていた時期もあるのですが、そこに気付いてから抽象度をもたせたり、色合いを工夫したりと、何度もバージョンアップを重ねています。リアリティとファンタジーの匙加減が大切なんです」


WEB LIMITED
保坂安美さんに聞く、7つの質問

Q.1
今、お仕事のほかに没頭しているものは?

A.
息子がやっていることもあり、サッカー観戦です。スポーツはもともと見るのもやるのも大好きで、夫もサッカーに詳しいので、家族でどんどんハマっていってます。息子と一緒にリフティングの練習もしているんですよ。来年のワールドカップに今からワクワクしてます。

Q.2
お仕事に対してやりがいを感じるのはどんなときですか?

A.
お客さんが喜んでくれたときがいちばんうれしいですね。あとは、イベントのフォトスポットやウエディング会場など、自分たちが作り上げた空間にお客さんがいて、楽しんでくださっている様子を拝見すると、本当に幸せな気持ちになります。

Q.3
ご自身のセンス・作風の根源にはどのようなものがあると思いますか?

A.
幼い頃に自然の中で遊んだ経験、工作教室に通っていた経験がベースにあるなと思いますし、一番影響を受けたのは武蔵野美術大学時代の友人たちですね。個性的な人がたくさんいたので、色々な刺激をもらいました。

Q.4
日々の中で気持ちを整える方法について教えてください。

A.
「育てる」という行為が結構好きです。犬やメダカ、ベランダで育てている植物たち。その変化や成長を息子と見守りながら会話をすることがリフレッシュになります。時間をかけて、動きがあるものを観察するのが好きなんだと思います。

Q.5
仕事をする上での必需品。

A.
高校2年生から美術大学に行くために予備校に通い、絵を練習していました。そのときに使い始めた筆は、今もずっと使っています。筆先がボサボサだったりするんですけど、あえてそれを使って描く。するとなんだか頑張ろうって気持ちになるんです。

Q.6
保坂さんがこれから挑戦したいことは?

A.
これまでは大きな花を立体で作ってきましたが、それも続けていきつつ、平面的な媒体に挑戦していきたいです。映像とか、絵本とか。人が中に入って体感するのではない、新しい体験の形に興味があります。

Q.7
SEE/SAWのファーストインプレッションは?

A.
いちばん驚いたのが、香りのよさ! 気持ちを切り替えるときにぴったりの、上品で癒される香りがすばらしいと思います。特にヘアオイルは、これでスタイリングをすると、すっきりと一日のいいスタートが切れる印象で大好きです。


TIME TO BLOOM
自分という花を、咲かせよう。

「TIME TO BLOOM ── 花ひらくとき。」をテーマに、転機をとらえ、チャンスに変えてきた女性たちのインタビューを発信。3月8日の「国際女性デー」に向けて、2026年春発売予定の限定品「Spring Note Mimosa」や、さまざまなアクションをお届けします。SEE/SAWとポジティブな春を迎えましょう。

Interview&Text_Ayana (Beauty Writer)
Photo_Yoko Kusano